Famille

焼き芋ビール。毎年育てているさつまいも。色々品種を変え今シーズンは鳴門金時と紅はるか、安納芋が採れ、安納芋は植えた数が少なかったのでビールにする前に皆で食べてしまい使えませんでしたが、鳴門金時と紅はるかをたっぷりと使用。いつもより2畝多く蔓を植えて沢山採れ、地面に穴を掘り籾殻と一緒に冬の間寝かせておきます。貯蔵中に糖分が増えたりするんです！素晴らしい！仕込み日はこの週にしようと決めて毎日天候とにらめっこ。畑で盛大に焼き芋にしてから使用するために風のない日を毎日待ちました。ただ、冬の伊勢は風が吹かない日が珍しく、1週間待っても暴風は収まらず、遂に盛大な焼き芋イベントの夢は叶わず、ガスコンロで少しずつ焼くことに。焚き火で焼く焼き芋と比較すると、ややすました感じの都会風の焼き芋ですが、仕込み前に味見をしてみると、とても甘く、焦げ目が付いたところはほろ苦さも加わってプリンのようでした。仕込み当日は、焼き芋を焼いては潰してを繰り返し、麦芽と一緒に釜へ投入しました。本当は焚き火でじっくり焼いたさつまいもを使いたかったのですが、今年は天候に恵まれずできなかったので、焚き火のスモーキーさを加える目的で少しだけ麦芽を燻製した自家製スモーク麦芽も少し使っています。僅かなスモークの香りが焼き芋ビールに奥行きを与えてくれています。焼き芋の甘さは酵母によってアルコールと炭酸ガス、そして沢山の香りに分解されているので、甘くはなくどちらかというとドライな仕上がりです。クリスピーな飲み口にシナモン、クローブ、ペッパー、オールスパイスなどのスパイシーな香りがやんわり香り立ちます。冷やしすぎない温度で飲んでいただけると後味にさつまいものニュアンスを感じていただけると思います。3時のおやつのようなほっと一息つきたいときに寄り添ってくれる優しい味わいのファームハウスエールです。