Rosewood Nectar

樹液のような甘く滑らかなビール。IPAの明るめの色を作ることが多い中、ドイツのクラフトモルトメーカーIreks社のCrystal Rosewoodが私の1番好きだというのは迷いなく答えられる。Ireks社のクリスタルモルトは植物好きには醸造用語で説明するよりも一瞬でイメージがつく。今回のビールは、かつてチェスボードの材料などに使われていた高級木材のローズウッドをイメージしていて、樹液といえばメープルシロップを思い浮かべるだろう。メープルシロップの素となる樹液は、楓の幹の色のように色味の薄いものを煮詰めてあの色になっている。ローズウッドの樹液といえば、メープルシロップよりも濃く赤みが強いというイメージで、スペルトやオーツを少量使い作られている。ビールの色味はローズウッドに近づけるために努力されていて、Inkhornらしくホップのニュアンスも楽しめるように変わったホップが結構な量入れられている。Double Hoppy Red Aleというスタイルにカッチリハマっていて、Arianaのベリーの葉っぱのような香りがモルトのキャラクターを引き立て新しい感覚のRed Aleに仕上がっている。