Kyoto Brewing Company (京都醸造)

時空を超えて

ABV
5%
IBU
22

このビールについて

レビュー要約

人々はこのビールについて、フローラルでフルーティーなアロマを持ち、白葡萄や桃、シトラスなど多様な香りを感じられ、時間を経た後にはブレッドの香りを感じると言っています。口に含むとフルーティーなアタックと、ハーバル、青リンゴ感を感じるとともに、ミネラルっぽい苦味をおさえた甘味と良い酸味のバランスがあり、甘ったるい感じはしないとのこと。苦味はシャープでキレが良く、前回より良好な印象を持つとのことです。また、小麦由来の甘さと風味、優しい酸味、セゾンとケルシュの中間的なイメージで飲みやすいとの評価もありました。 人々はこのビールについて、フローラルでフルーティーなアロマ、多様な香り、フルーティーなアタック、ハーバル、青リンゴ感、ミネラルっぽい苦味をおさえた甘味と良い酸味のバランス、シャープでキレの良い苦味、小麦

時空を超えての説明

ユニークなコラボレーションをBETと行いました。BETは日本で有数の醸造設備・原材料を取り扱っている会社です。

どんな風にユニークかと言いますと第一に、私たちの造ったスタイルはかなり伝統的なもので、現在の醸造の世界からは一部なくなりつつあるものです。ドイツのケルンという地域でビールと言えばケルシュを思い浮かべる人がほとんどだと思いますが、ケルシュが一般的になる前は、少量の小麦モルトで醸造したWiessというスタイルが、皆のグラスを満たしていました。ケルンでも現在このスタイルのビールを一般的に造ることはないようです。現存する記録や再現されたビールによると、小麦由来の軽くて爽やかな香りに焦点を当てていますが、ケルシュのようにキリっとした特徴もあります。留意していただきたいのが、今回仕込んだ”Wiess”というスタイルは”Weiss”とはまた違うスタイルです(Weissとは50%以上の小麦と、強力な果実香やフェノール香を生み出す菌株を使用して造るドイツ南部のビールです)。

第二に、今回の仕込みは、このWiessというスタイルそのものと同じくらいかなり伝統的なものでした。この仕込みは勉強の機会であり、設備や工程だけでなく、原料にも焦点を当てています。100%ドイツ産のものを使用しており、麦芽はピルスナーモルト、小麦モルト、マッシュのpHを調整するためにサワーモルトを少し加えています。ホップはSpalterという1538年に商標登録された世界最古の栽培品種のものを使用しています。酵母はWhite Labsの“The Vault”からの特別な株であり、今回の醸造用に特別に培養したものを使用しました。この京都で、ケルンの水も再現して仕込みに臨みました。

伝統といえばもう一つ、今回初めてナチュラルカーボネーションを試してみました。現在ほとんどの醸造所では、精製された炭酸ガスを使用したカーボネーションが行われています。ナチュラルカーボネーションはコントロールが難しく、時間がかかり、オフフレーバーがビールに残りやすいのです。発酵中にできた二酸化炭素だけでガスを付けるというのはなかなか難しいですが、より手造り感があるというか、そして香りの質が向上していたのが嬉しく思いました。最後に、ドイツで醸造に使われていた古い銅のケトルに倣って、銅のパイプを煮沸中に加えてみました。