ハレ

京都で有名な宇治の老舗、堀井七茗園さんとのコラボレーションで一緒にビールを作りました。これまでも多くのお茶を使ったビールが作られてきましたが、お茶の個性を活かしながらビールとして仕上げるのに苦心した形跡がありました。今回のコラボではお茶の生産方法から個性までを知り尽くした方々と一緒になってビール造りをした結果、ユニークで味わい深い2種類のお茶のビールが誕生しました。数か月にわたる打ち合わせとお茶の試飲を経て、｢ケ｣用に合う煎茶、｢ハレ｣用に普段なかなか口にすることのない｢碾茶(挽く前のお抹茶の原料)｣を選びました。このコラボではお茶の持つ繊細であり個性的な香りと口当たりをどのようにビールという飲み物と融合させるかという点に挑戦しました。私たちの挑戦がどのような帰結をもたらしたのかを、ぜひご自身でも味わってみてください。碾茶というのは挽かれて抹茶になる前の状態では普段なかなか口にすることもないものですが、茶葉の状態では旨味のもとであるテアニン(アミノ酸の一種)を豊富に含み、口に含むと豊かな口当たりと甘みを感じることができます。ゆっくり瓶の中で発酵することでシャンパンにも通じるような品のある炭酸ときめ細かい泡が生まれ、お茶とビールの個性をじんわりと引き立てるのを狙いました。