Kyoto Brewing Company (京都醸造)

スタイル
ABV
6.5%

このビールについて

レビュー要約

人々はこのビールについて、果実の香り、パイン、レモンゼストなどのシトラス感を持つ濁った薄黄色でドライで華やかな味わいのIPAであると評価しています。

巴の説明

限定醸造シリーズ第51弾 (317と318バッチ目):2018年には、多くの限定ビールや一仕込み限りのビールを造ることとなりました。お客様に喜んでいただけるのは嬉しい限りですが、趣向を凝らしたものを造るということを疎かにしてしまった、と私たちの中では思うところもあります。そういうこともあって、2019年は明確な目的をもって限定ビールを醸造し、その仕込みごとに新たな学びを得ようと考えています。

この考えのもとで初めて仕込んだビールは、最近リリースした「朧月」です。朧月での新たな試みとして、麦芽化されていない穀物を多く使うということに加えて、伝統的な材料の代わりにちょっとした現代的なひねりをきかせることで、今までにない個性を持ったビールができました。

これに続き、第二段の限定ビールは、一世を風靡した「バイオトランスフォーメーション」という新しい醸造テクニックを試すためにIPAに目を向けました。バイオトランスフォーメーションとは、主には酵母が発酵中にホップ成分と反応するときに起こる化学変化のことです。

その結果、ホップだけ、酵母だけでは作り得ない新たな香りやフレーバーの成分がビールの中に作られます。難しい話はおいといてここで言いたいことは、New England IPAはこのバイオトランスフォーメーションがカギとなっているということです!

ただ単に酵母とホップが接触すればいいということではなく、この反応は酵母自体の生物学的特性にも大きく依存しているのが面白いところでもあります。ですので、バイオトランスフォーメーションが起こる程度というのは、使用する酵母の種類によって変わってきます。このジャンルの研究はまだ初期段階で分からないことだらけなので、今回ではちょっとした遊びで、アメリカン酵母とベルジャン酵母の2種類で発酵させることにしました。そのおかげで、今まで造ったIPAの中でも特にユニークなものが出来上がりました。NE IPAを狙ったわけではないですが、普段のホップ使いでは出ない香りとフレーバーがあって、これはバイオトランスフォーメーションの賜物と言ってよいでしょう。優しめのモルト感と、シャープで甘味のある柑橘感がちょうどよく、ベルジャン酵母によるドライさがホップの重みを感じさせない仕上がりになっています。

創作に満ち溢れたこの作品にきっと納得していただけるはずです。ぜひご賞味あれ!

名前の由来: 水と水が交わるようにひとつに溶け合う。日本の伝統的な巴(ともえ)の紋に< https://goo.gl/kjnN5q >、今回挑戦したバイオトランスフォーメーションという醸造技法のかたちを見つけました。ホップと酵母の二項だけではなく、アメリカン酵母とベルジャン酵母の組み合わせにもよる三つ巴は、いままでにないユニークさをこのビールにもたらしています。