Metal Work

｢メタルワーク相模｣という会社を知っていますか？どこかで聞いたことあるような。そう、Passific Brewingの名物？看板。綺麗になった外観、ガラス越しに見えるタンク、その中に一際目立った存在の、あのレトログッドな看板です。｢メタルワーク相模｣は僕らが借りている建物の大家さんとそのお父さんが営んでいた会社です。20坪ほどの工場で、数々の工作機械を操り、いわゆる"職人技"で金属部品の加工を行っていたそうです。しかし、リーマンショックの影響は片田舎の町工場まで押し寄せ、泣く泣く廃業。僕らがこの物件に出会ったのはそれからおよそ10年後のことです。初めてこの物件を見にきた時はまだ当時の面影を残し、出番を待つ工作機械、材料、削りカス、そして油の香りがしたのを今でもよく覚えてます。僕らと大家さんとの関係はいわゆる"借主"と"貸主"のようなドライなものでは無く、一種の友人のような関係に近いです。というのも、この物件を借りることが決まってからは費用のことも考え残地物の撤去を手伝ってきました。その見返りというわけではないですが、工事の期間は家賃を融通してもらったりしています。お互いが支え合うような形で良好な関係を築けていることは僕らの1つの強みでもあります。その中で、｢メタルワーク相模｣のDNAを絶やさないためにも、いつかビールの名前にその一部を使わせてもらおうと思っていました。大家さんの豪傑な人柄から力強い印象のビールしかないと思い、今回の｢Metal Work｣が生まれたという訳です。残念ながら大家さんは下戸(これは唯一であり最大の悲劇！)ですがきっと気に入ってくれることでしょう。出来上がったビール強烈なホップの香りと苦味を纏い、8％もあるアルコール分はあなたを酩酊へと誘うでしょう。