Barrel Laundering (2023)

伝統的な醸造に使われる品種を使用して木樽で熟成させたヘリテイジバレルエイジドサイダー。数年間かけてイギリス系伝統的な醸造品種を試験的に育成し、3種類の生の搾り汁に天然酵母を含めて主発酵を行います。秩父蒸留所の2ndフィルバーボン樽で13か月間熟成されます。 野生酵母によるプラムの香りが始まり、ほどよい酸味と、口の中に残る醸造品種と木樽から来るしっとりした渋味のバランスが素晴らしく、上質なバニラチョコレートのようです。タンニンが豊富な葉に含まれる液体ですが、とても軽く、華やかな口当たりに仕上げられています。クラシックとニュースクールのハイブリッド。故郷を温めつつ、新しいものを知ることによって見えてくる日本の農的アプローチの道筋。これは、時間をかけて日本の四季の中で土壌に立ち、手間をかけて醸造品種を育てた真摯なものづくりの方法です。バレルロンダリングは、リンゴ品種や醸造品種の可能性を感じさせるバッチです。前回と大きく異なるのは、りんご畑の自然発酵での主発酵と、野生酵母の発酵による生食用リンゴや熟成ホップの少量ブレンドです。そのため、風味、香り、酸味、タンニンなど、液体のニュアンスが広がります。りんごやホップ由来のフラボノイド系の化合物と、非フラボノイド系のタンニンが、舌の上に重なって感じられます。唾液タンパク質と複雑な口腔感覚の分子メカニズムにより相互作用した時タンニンを認識し、エタノール非存在下タンニンと唾液の混合物により、比較的低いアルコール度数のサイダーがワインよりもタンニンを感じやすくなることが分かります。