before_dawn

部屋には散らばる空き缶、つけっぱなしのテレビ、スヤスヤぐっすりと寝静まり、いびきをかくHop Dudeたち。爽快さを求めた、新しいWest Coast IPAの誕生を祝うパーティーに興じていた彼らの寝顔は安心そのもの。

かすかに聞こえるのは、風にそよぐ自然の響きと輝き、……そして何かが近づいてくる、とても小さく重い足音。辺り一面、静寂が包み込むBefore Dawn。これから始まる、今日という一日。

パパイヤにグレープフルーツ、複雑に重なった香りはボタニカルな印象。メロンに桃、グァバを基調としたトロピカルフルーツ感あるフレーバー。度数以上にボディの厚みを感じ、従来のWCIPAとは住み分けされた飲み応えが◎。カラメルを思わせる甘めの余韻には、パインを連想させる苦みが口の中に優しく広がっていく。

誰にも気づかれず、ゆっくり着々と忍び寄るダークネスな気配。朝がくる。起きるまであと少し。夢見心地なHop Dudeたちは、まだ知る由もなく、いつもと同じ朝を迎えるつもりで深い眠りに。この空の上に待ち構えるのは、陽ではなく闇ということに、気づくころには、もう手遅れなのかもしれない。