人々はこのビールがパワフルで霞んだオレンジ色をしていると言っています。そして、素晴らしいホップの香りがあり、口当たりがスムーズでマルト感が強いと評価して
カリフォルニア・コモンという今ではあまり聞き馴れない名前のビアスタイルがあります。ゴールドラッシュの頃のカリフォルニアが発祥のこのビールは、別名スチームビアとも呼ばれます。有名なのはアンカー社のアンカースチームというビール。1800年代後半の西海岸には少なくとも25軒くらいのブルワリーがあり(多くは東海岸からやってきたドイツ系の移民・子孫が経営していたと思われる)、このカリフォルニア・コモンを醸造していたようです。そして労働者階級を中心に安価な飲み物として消費されていました。ビールの製法としては、ラガー酵母を用いながら高めの温度帯(エール並みの)で発酵させていたとされ、こうすることでラガーの持つクリスプさに、発酵由来のかすかなエステル香が加わります。さらにモルトからの深いコクと、ホップの苦味やスッとする香り。それらが調和することで、どこか懐かしいような独特のフィーリングを持ったビールに仕上がっています。見方によっては、際立った特徴のない「凡庸な」ビールのようにも思えますが、その凡庸さが特徴とも受け止められます。シンプルで飾りのない労働者のためのビール。ゴールドラッシュに湧く当時のカリフォルニアに思いを馳せながら、楽しんでいただきたい一杯です。アメリカンなIPAやペールエールの、もっと源流にあるビールだと思います。ラベルのデザインは、スペクテイター誌でもお馴染みのミネくんによるものです。ヨロッコビールのラベルを製作してある頂くのは、Sunshine Juiceとのコラボに続き3作目になります。ミネくんが昨年にアートディレクションを担当した書籍『オン・ザ・ロード:書物から見るカウンターカルチャーの系譜』からインスピレーションをもらって出来上がったビールです。カウチビールという言葉がありますが、チップスやジャーキーなどを片手に、映画でも観ながら飲むには最適なビールだと思います。週末のお供にぜひとも。
カリフォルニア・コモンという今ではあまり聞き馴れない名前のビアスタイルがあります。ゴールドラッシュの頃のカリフォルニアが発祥のこのビールは、別名スチームビアとも呼ばれます。有名なのはアンカー社のアンカースチームというビール。1800年代後半の西海岸には少なくとも25軒くらいのブルワリーがあり(多くは東海岸からやってきたドイツ系の移民・子孫が経営していたと思われる)、このカリフォルニア・コモンを醸造していたようです。そして労働者階級を